45歳からの終活、決して早すぎることはありません
行政書士とい京子事務所では、セミナーなどで「45歳から考え実行する終活」をお薦めしています。
今回は、なぜ終活を「45歳から考え実行する」ことが必要なのかをお話しいたしましょう。
えっ?! 45歳から終活?
早すぎない?
と思われたあなた。
早すぎません!
読めば納得!!
さああなたも、この続きを読んで、何から取り掛かるべきか、あなたにとっての優先順位を考え、一つひとつ実行していきましょう。
45歳は、人生の折り返し点
国は、数年前から「若年期から、『人生90年時代』に備えることが必要」だと、白書などで言っています。
誰もが「自分も90歳まで生きるかもしれない」と考えて備えよ、ということは、45歳というのは、「もう人生の折り返し点を回ったんだ」ということを強く意識しなければならない年齢だ、ということです。
厚生労働省の発表によれば、2015年の「日本人の平均寿命」は、
女性87.05歳、男性80.79歳
一方、介護が必要だったり、日常生活に支障が出るような病気にかかったりする期間を除いた「自立して過ごせる期間」を表す日本人の「健康寿命」は、
女性75.56歳、男性71.11歳 (2013年のデータ)
データでみると、介護や病気療養の期間が、男女ともに10年前後はあるということになります。
また、データはあくまでも「平均寿命」を示しているので、50%の人は、これよりもっと長く生きる可能性があるわけです。
だから、「人生90年時代」といわれるのです。
結婚の時期や、子どもを持った時期、転職、マイホーム購入など、ライフステージは人によって様々です。
一口に45歳といっても、独身の方や子どもがまだ小さいという方もいれば、早くも「孫ができた」という方もおられます。
でも、「自分も90歳まで生きるかもしれない」と考えたら、「人生の最期の時まで、安心して日々を送ることができるように備える」には、45歳から始めるのは、決して早すぎることではありません。
あなたの親御さんは、今どのような状況でいらっしゃいますか?
あなたが40〜50代で、まだしばらく子どもにも教育費などのお金がかかるという方は、これから親の介護や看護、さらには相続といった課題も、同時期に出てくる可能性があります。
奨学金の制度や、介護や医療、年金、税金、相続に関する法律など、社会の状況や制度も10年たてば大きく変わります。
人生の折り返し地点である45歳からは、社会の状況や制度の変化に対して、常に新しい情報を得る努力をし、専門家に相談するといった手段も駆使して、人生90年時代に備えることが、必要なのです。
老後の資金づくりは、できる限り早い段階から考え実行する
老後に必要な資金はいったいいくらなのか、様々な機関が試算をしています。
年金と貯蓄の組み合わせで、ひと月いくらの生活費を賄うのかのシミュレーションです。
年金がいつから貰えるのかについては、段階的に支給開始年齢が65歳に引き上げられています。
男性:昭和36年4月2日生まれ以降
女性:昭和41年4月2日生まれ以降
の方は、「老齢厚生年金」も「老齢基礎年金」も、65歳からしか支給されません。
ご自分の年齢や生活の状況に合わせて、老後資金がいくら必要なのかを一度試算してみましょう。
そして、今は何への支出が必要なのか、どこを切り詰めるのかを考える「家計の見直し」を、45歳から5年単位くらいで実行していくことをお勧めします。
また、何に手厚い保障が必要なのかをライフステージに合わせて検討しなおす「保険の見直し」を、一度もやったことがないという方は、人生の折り返し点である45歳で実行しましょう。
資産形成のための金融商品選びにも、情報収集が重要です。
よくよく考えて、自分にあったものを選択しましょう。
次の世代は、今よりもっと厳しい「社会・経済状況」に直面する
「終活の極意」は、「お金のかかることや面倒なことは、自分の世代で始末をつけておくこと」です。
もはや右肩上がりの経済成長など望めません。
子どもたちの世代は、あなたが生きてきた時代よりも、ずっと厳しい社会・経済状況の中で生きていかざるを得ないのです。
「お金のかかることや面倒なこと」を子どものたちの世代に遺して逝かない。
そのための「終活資金の準備」は、できる限り早くから計画して実行した方がよい。
だから、「45歳から考え実行する終活」をお薦めしているのです。
関連ページ
- 終活の極意
- 終活って何をすればいいの? ズバリ! 終活の極意を、お教えいたしましょう。
- 費用と手間の負担は誰が
- 「終活の極意」は、「お金のかかることや面倒なことは、自分の代で始末をつけておくこと」。 では、費用と手間は誰が負担することになるのかについて、遺言書を例にご説明しましょう。
- 「終活」とは、自分らしい生き方を自ら創ること
- 「終活」なんてまだ自分には関係ない? 死を意識することには抵抗がある? 死は誰にでも訪れます。だからこそ、最期の時まで自分らしく生きたいと思いませんか?
- 身辺整理は体力のあるうちから
- 「実家の片づけが大変だ」とよく話題になりますね。自分の子どもにはそんな思いをさせないように、体力のあるうちから、自分のモノは片付けていく。 片づけが苦手な私だからこその「コツ」お伝えします。
- 終末期医療についての希望
- あなたは「自分の死が近い時期に、どんな医療を受けたいか」、誰かにきちんと伝えていますか? 本人の希望がわからないと、家族は重い決断を迫られ、大きな負担を抱えることになってしまいます。
- エンディングノートで伝えておきたいこと
- エンディングノート、「知ってはいるけど書いてはいない」という方が多いと思います。 「書く気になれない」というあなたのハードルを越えるコツ、書くべきことの優先順位、エンディングノートを書く意味とその効力についてお伝えします。
- 「親亡きあとの備え」は早い時期から
- 障害のある子どもさんがおられる場合、親亡き後の問題にどのように備えるのかが課題です。それぞれのご家庭の事情に合わせて、、情報収集をしながら、早い時期から検討し、備えていくことが必要です。
- 相続の済んでいないものは、自分の代で済ませておく
- 亡くなった親の名義のままの不動産がある方。 先送りにしないで、自分が元気なうちに兄弟姉妹と話し合って相続登記を済まさないと、子どもの代で、大変なトラブルに発展する恐れがあります。
- 不動産を相続した時の注意点
- 不動産を相続した後、その財産が次世代への重い負担となってしまわないようにするための、3つの注意点をお話しましょう。特に3つ目の注意点は必見ですよ。
- 友人・知人と権利関係が絡むものは解消しておく
- 友人と共有名義の別荘やボートを持つ方、友人の会社設立時に頼まれて出資した方、元気なうちに、友人・知人と権利関係が絡むものは解消しておくことをお勧めします。
- 商標(会社名や商品名)も財産です
- 「知的財産権」という言葉を聞いたことがありますか? 著作権や特許権、実用新案権、意匠権、商標権などを「知的財産権」と言い、これらも相続の対象となる「財産」なのです。 ちゃんと相続手続きをしないと、財産として保護されなくなってしまいますよ。
- LGBT、同性カップルのための任意後見契約と遺言書作成
- LGBT、同性カップルの婚姻は、日本では認められていません。性的マイノリティカップルが、現在ある制度を活用して、法律婚カップルと同様の権利を得るための方策について、ご紹介します。
- 公営合葬墓と永代供養墓はどう違う
- 福岡市でも市立霊園に合葬墓を建設する検討が始まりました。公営合葬墓と永代供養墓はどう違うのか、全国の公営合葬墓にはどんなものがあるのか、まとめてみました。