「片付け」には体力が要る
「実家の片づけが大変だ!」と、たびたび話題になりますね。
子どもに大変な思いをさせる前に、自分の身辺整理は自分で行う、それが「終活」です。
長年住み暮らした家の中を片付けるのは、気力も体力も必要とする作業です。
だからこそ45歳からは「日頃から身辺整理を心がけていく」、できれば「片づけを習慣にしていく」ことが必要なのだと思います。
かくいう私も、片づけが得意なほうではありません。
得意ではない私が、心がけて実行していることをお伝えしましょう。
片付けのコツ @自分の所有物からまず処分
実家の片づけが大変な理由のひとつは、親が存命のうちに実家の片づけをする場合、「実家にあるモノ」の所有者はあくまでも「親」であるため、処分のしかたなどについて、手伝う立場の「子」と意見が違うと、なかなか片づけが進まない、という点にあります。
自分の家の片づけにしても、ずっと一人で暮らしてきた家であれば、すべてのモノの処分を自分で決めればよいわけですが、かつて家族の所有物であったものや共有物の処分は、同意が必要であったりしますね。
片づけは、迷っていては進みません。
まずは、処分のしかたを自分で決められるものから、手をつけていきましょう。
すでに家を出て独立した子どもが、実家に残していったものも処分してしまいましょう。
置いていったモノですから、処分の仕方を一応断っておいたほうが良いかな、と思うものについては連絡をしたうえで、処分してしまいましょう。
実家の片づけで困るのが、「思い出の品」ですね。
それは自分の家でも同じこと。
今すぐ捨てられないなら、とっておく期限を決めて、潔く処分しましょう。
片付けのコツ Aいつやるかを決めて集中
片付け上手な人は、モノをため込まないで日々片付けているのだと思いますが、私のように片づけが得意でない者は、どうしてもモノが増えていきます。
日々の片づけだけでは済まない、「中片付け」や「大片づけ」をいつやるか、が課題です。
「定年退職して暇ができたら」なんて思っていたら、体力がついていかない、ということにもなりかねません。
50歳を過ぎると、5年単位くらいで体力の衰えを実感するようになるのではないでしょうか。
45歳を過ぎたら、「身辺整理(片付け)」の時期を意識して決めて実行しましょう。
例えば、自分と家族のライフステージにあわせて、引っ越しはもちろんのこと、家の一部をリフォームする時、転職する時、まとまった休みが取れるときなどに、「この○日間は片付けに集中するぞ」と決めて取り掛かりましょう。
子どもが独立して出ていった時なども片付けの良い機会です。
片付けのコツ B区域と期限を定めて一区画ずつ完結させる
家の中全部を一気に片付けようなんて思ったら大変です。
私は、家のなかで片付ける区域を決め、いつまでと期限を決めて完結させるようにしています。
「自分の仕事部屋」「独立した息子の部屋」「リフォームする玄関回り」などの部屋単位だけでなく、「ダイニングキッチンのこの収納棚」のように、一区画だけ片付けると決めて取り掛かることで、片づけを始めることのハードルを下げましょう。
そしてもう一点重要なのが、期限を決めて完結させることです。
あなたの生活スケジュールと体力にあわせて、「この3日間」とか「一週間」、「一か月間、午前中だけ作業する」などの期限を決めて、片付けると決めた「一区画」の片づけは完結させるのです。
住んでいれば、またモノが増えていきますから、「日々の小片付け」だけでなく、「中片付け」「大片付け」を定期的に繰り返していく。
そのうちに、だんだんため込まないうちに片付けることができるようになる?ことを願って、続けていくしかありません。
片付けのコツ Cどう処分するかを決めてから取り掛かる
ここでいう「片付け」は、自分の持ち物はできる限り処分してから逝くために行うことですから、その処分のしかたは、思い切って「捨てる」が基本です。
片付け作業をするときには、思い出にふけらない、選別する時は即決することが大事です。
中には、書籍や衣類などリユース・リサイクルできるものもあるかと思います。
そういうものについては、片付け作業に入る前に、リユース・リサイクルの受付機関を見つけて決めておくことが大事です。
最近は、衣類や書籍などを着払いで送付し、売れたものがあればその金額を指定したNPOに寄付できる、という「不用品処分+社会貢献」を実施している団体がいくつもあります。
どういうモノなら受付可能なのかをあらかじめ確認しておき、片付け実施時には、受付可能なものは送付用段ボールにいれ、そうでないものはどんどんごみ袋に入れていく。
自分で決めた区画の片づけが終了したら、宅配業者に取りに来てもらう。
この繰り返しで片付けていきましょう。
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