セクシャルマイノリティカップルはどんなことで困るのか
セクシャルマイノリティカップルは、法律婚ができないために、法律婚の配偶者や家族に認められる様々な権利を得ることができません。
例えば、
・病気や事故の時に、家族として医師から説明を受けたり、手術や治療への同意を与える権利を
認められない。
・判断能力が衰えた時にも、パートナーは四親等内の親族に当たらないので、法定後見の
申し立てをすることができない。
・パートナーのお葬式や法要に、親族として出席することができない。
・法定相続分がないので、遺言書がなければパートナーに財産を遺すことができない。
そこで、セクシャルマイノリティカップルが、法律婚カップルと同様の権利を得るために、各種の「公正証書」を作成することをお勧めします。
セクシャルマイノリティカップルのための各種公正証書
≪共同生活に関するパートナー契約書≫
セクシャルマイノリティカップルが共同生活をするうえで、約束しておくことが必要と考える事項を契約しておくのが「共同生活に関するパートナー契約書」です。
「協力し合うこと」「扶助すること」などの義務に関することのほか、
「生活場所」「生活費の分担方法」「財産の管理方法」「契約解除の方法」などを定めます。
私文書であっても真正な署名押印があれば契約書として有効ですが、公正証書にしておいた方が、活用できる場面が今後増えると考えられます。
ただし、あくまでも当事者間の契約であり、法律婚カップルと同等の権利が公的に認められるというものではないということに、注意が必要です。
≪任意後見契約公正証書≫
事故や脳疾患、認知症などで判断応力が十分でなくなってしまってから、成年後見制度を利用しようと思っても、後見の申し立てができる人は、配偶者、四親等内の親族等と法律で決められているため、セクシャルマイノリティカップルのパートナーは申立人になることができません。
また、相手方の親族に理解がないと、パートナーの後見人になることも難しくなってしまいます。
そこで、判断能力がしっかりしているうちに、もしも自分が判断能力が不十分な状態になった時には、信頼しているパートナーに後見人となってもらい、自分の代理で行ってもらいたいことをあらかじめ決めて、契約しておくのが「任意後見契約」です。
任意後見契約は公正証書によってしなければならないと法律で決められています。
カップルがお互いに任意後見契約を結んでおけば安心です。
≪死後事務委任契約公正証書≫
死後事務委任契約で、自分が亡くなった後の、友人・知人等への連絡、葬儀や埋葬の執行、税金や病院・施設の費用などの精算、保険の請求などの各種手続き、家財・遺品の整理などを、パートナーに行ってもらうことを契約しておきます。
どちらが先に亡くなることになるかわかりませんから、これもカップルでお互いに契約しておくことをお勧めします。
≪公正証書遺言書≫
日本の法律では法定相続人は、次のように決められています。
戸籍上の配偶者は常に相続人となります。配偶者と共に相続人となるのは、第一順位が直系卑属(子・孫・ひ孫等)、子や孫がいなければ第二順位の直系尊属(両親・祖父母等)、それもいなければ第三順位の兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっていれば甥・姪)が法定相続人です。
遺言書がなければ、法定相続人は戸籍上の親族関係によって決まります。
LGBT、同性カップルなど法律婚のできないカップルは、遺言書を作成しておかないと、パートナーに遺産を遺すことはできません。
相続が起こった時に、直系尊属である両親・祖父母が存命であれば「遺留分」があります。(兄弟姉妹には遺留分はありません)
また、過去に結婚したことがあり子どもがいる場合には、子どもは相続人となります。(離婚した元配偶者は相続人ではありません)
遺言書を作成する際には、自分の死後に、法定相続人となる自分の親族とパートナーとの間で争いとならないように、行政書士等の専門家に相談の上で、公正証書遺言を作成されることをお勧めします。
当事務所では、上記のような公正証書の作成をサポートいたします。
サポート料金については、
「生前対策各種サービス料金」のページ
「遺言書作成サポート料金」のページ
をご覧ください。
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